新製品
New Product

エコ材料を用いた高速信号コネクタ

[概要・開発意図]

近年、環境問題に対する意識の高まりを背景に、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)への取り組みが求められています。その中で、石油由来の樹脂材料の使用量削減を目的とした、植物由来のエコ材料が注目されています。これらは、すでにスプーンやストロー、買い物袋などに使用されており、最近では自動車の内外装や家電製品の筐体などにも採用されていますが、電子部品用途での検討はまだまだ進んでいません。そこでホシデンは、電子部品の一つである高速信号コネクタにも使用できるエコ材料の検討を開始しました。

上記エコ材料の調査を行う中で、ユニチカ株式会社の「XecoT(ゼコット):トウゴマから採取するヒマシ油を原材料に作られた植物由来の半芳香族ナイロン樹脂(PA10T)」に着目しました。「XecoT」は耐熱性が高く、吸水しにくいことから、一般的なコネクタ用の樹脂材料として必要な基本性能は元来揃えていましたが、高速信号コネクタへの使用に際して重要な物性である誘電率と誘電正接には改善の余地があった為、ホシデンとユニチカ双方の知見を持ち寄り、より高速信号用コネクタに適したカスタム「XecoT」を共同開発しました。

今回開発したホシデンカスタム「XecoT」は、誘電率及び誘電正接を従来品より低く抑える事により、コネクタの伝搬ロスの低減とインピーダンスコントロール性を実現した上で、レジ袋やカトラリーであればバイオマスマークを付与できるレベルの30%以上という高いバイオマス度を確保しております。実際にコネクタの試作まで行い、エコ材料を使用しながらも従来品と遜色ない伝送特性を発現できる事まで検証済みです。

このカスタム「XecoT」は、新製品への積極採用を検討すると共に、現在ご使用いただいているホシデン製品をエコ化したいというご要望(将来ニーズ)にもお応えできるようになればと考えて開発したもので、性能・品質・コストに加えて「エコ度」という選択肢をお客様にご提供する事により、電子部品メーカーの立場からもSDGs社会に貢献します。

 

※「XecoT」はユニチカ株式会社の登録商標です。


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