新製品
New Product

ペロブスカイト太陽電池のサンプル展開について

 

[概要・開発意図]

全世界的に気候変動対策が急務となっており、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が対策の一つに掲げられています。中でも太陽光発電は有効な手段の一つとされておりますが、その発電源である結晶シリコンは、原料である鉱物資源を海外に依っており、また1000℃以上の超高温による精製を含めた製造工程で、膨大な電力が消費され、CO2が排出されるというジレンマを抱えております。

ペロブスカイト太陽電池は、主材料が特定鉱物に依らないためカントリーリスクの影響が小さく、また200℃以下の低温プロセスでの製造が可能なため、使用電力の低減により、大幅にCO2が削減できます。そのため、真の環境対策の切り札として、経済産業省を筆頭に国を挙げて、社会実装に向け取り組んでおります。

当社はこれまでディスプレイ関連商品を手掛けてまいりました。ディスプレイと太陽光発電は、同じ光電変換素子として、光と電気のエネルギーを変換するものであり、その原理から構造やプロセスが類似しているため、新規事業としてペロブスカイト太陽電池への参入を表明いたしました。

現在まで数多くのお問い合わせやお引き合いを頂き、また事業化に向け、戦略を検討してまいりました。 ペロブスカイト太陽電池の大きな特徴は、環境対策というだけではなく、既存の太陽電池に比べて軽量、かつフレキシブルな構造も可能という技術的優位性を確保し、これまでになかった用途への拡大が見込まれます。また結晶シリコンは赤外線領域に強い感度を持っていることに対し、ペロブスカイト太陽電池は、可視光領域に特化して受光感度を高めることが可能です。そのため、室内光においては、シリコンを凌駕する変換効率を得られております。

当社はこれらの特徴を活かし、また一早く事業化する目的から、IoT機器や携帯機器などの電源としての用途を検討してまいりました。今回、室内での使用を想定した機器への搭載を検討される戦略的パートナーに、量産化するための原理試作を提供し、量産を前提とした開発を進めてまいります。また顧客が開発を進めやすいように、各種センサーや、ブルートゥース通信モジュールが搭載可能な、二次電池を含んだ無給電の電源モジュールを開発しており、夏頃のリリースを計画しております。

2023年度後半から量産を前提としたサンプル開発を行い、2024年度の後半の量産を目指します。




本製品に関してのお問い合わせは下記よりご連絡をお願いいたします